時計業界では「ブロンズの時代」が進行しつつある。その腐食に強い特質から歴史的に海での装具に使われてきた素材、ブロンズをケース素材とし、ダイバーズウォッチと融合させた新作が誕生した。レトロ調な外観を持つロンジンのヘリテージコレクションより、「ロンジン レジェンドダイバー」だ。ブロンズケースには、グリーンラッカーの文字盤が組み合わされる。
ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」
Originally published on watchtime.com Text by Mark Bernardo (2020年12月1日掲載記事)
1960年に製作したダイバーズウォッチを復刻したロンジンの「ロンジン レジェンドダイバー」が誕生したのは2007年のことだ。オリジナルよりも6mm大きい直径42mmのケースは、しかしデザインを忠実に再現しており、特徴的なふたつのリュウズを備えている点も共通だった。ひとつは主ゼンマイの巻き上げと時刻合わせ用、もうひとつは回転式インナーベゼルの操作用である。
《 1960年代のロンジンのダイバーズウォッチを復刻したモデルに待望のブロンズケースが登場。ブラウンレザーストラップのほか、画像のNATOストラップも付属する。 》
ふたつのリュウズとケースバックはねじ込み式となっており、300mの防水性能を得ることに貢献している。回転式インナーベゼルは文字盤の縁に設けられているが、基本的には一般的なダイバーベゼルと変わらない。
潜水前にベゼルのスタートマークを分針の位置に移動させることで、ダイバーに潜水時間を簡単に知らせる、というものだ。逆回転防止ベゼルと違い、ねじ込み式のリュウズによってインナーベゼルの回転をロックするため、調整時は時計回りにも動かせる。
《 ケースバックはチタン製でレリーフのエングレービングが施されている。 》
ボックス型のサファイアクリスタル製風防の下には、グラデーション効果を伴ったラッカー文字盤があり、中心のグリーンが外周部分のブラックに向けて放射状に広がっている。
その上にはスーパールミノバ処理が施されたインデックスやアワーマーカー、針などが配されている。「12」「3」「6」「9」のアラビア数字はブロックタイプのフォントが採用され、最大限の視認性を担保。スーパールミノバはまた、アワーマーカー同様スクウェア、レクタンギュラーのマーカー、そして時分針にも用いられている。
《 グリーンのグラデーションラッカー文字盤には、多くの夜光性の要素が配されている。 》
ケース内部では、ダイバーのエングレービングが施されたチタン製ケースバックの下に、自動巻きCal.L888(ロンジンのために生産されているETA A31.L01の改良版)が稼働しており、21石、2万5200振動/時、約64時間のパワーリザーブを保持している。
水と接触した時間の長さや保管方法によって、個々に独特の経年変化が現れるブロンズケース。この独特な存在感を放つケースに合わせられるのは、ベージュのステッチで仕上げられたブラウンレザーのストラップ。そしてもう1本、グリーンのナイロン製NATOストラップも用意されている。
《 ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」 自動巻き(Cal.L888)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約64時間。ブロンズ(直径42mm)。30気圧防水。35万4000円(税別)。 》
Contact info: ロンジン Tel.03-6254-7350
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