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新しい"ボンドウォッチ"、オメガ「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」をレビューする

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  • 新しい"ボンドウォッチ"、オメガ「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」をレビューする


    映画「007」シリーズ25作目となる待望の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が、ついに2021年10月に公開された。コロナウィルス感染拡大の影響で公開は足止めされていたが、2019年12月には既にジェームズ・ボンドが、この作品にて着用する時計については知られていた。
    主演ダニエル・クレイグ本人の意見を取り入れてデザインされた、ミリタリールックのダイバーズウォッチ「オメガ シーマスター ダイバー300M 007 エディション」だ。世界で最も洗練された諜報部員が身に着ける時計に求められるスタイリッシュさと機能性の両方に注目して、この時計のレビューを徹底的に行った。
    《 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」でジェームズ・ボンドが着用する、オメガ「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」。自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。チタニウムケース(直径42mm)。300m防水。108万9000円(税込み)。 》
    Originally published on watchtime.com Text by Mark Bernardo 2021年10月12日掲載記事
    主演ダニエル・クレイグの意見を大きく取り込んだヴィンテージ感

    「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」の完成にあたりオメガは、今回の映画で5作目、そしておそらく最後のジェームズ・ボンド役を演ずるダニエル・クレイグがブランドのデザインチームと協力し、映画と原作に関する知識を生かして、デザインの過程からプロセス全体に関わったと発表している。時計愛好家でもあるクレイグは、「オメガと仕事をするにあたって、007のような軍人には軽量な時計が重要だと考えました。また、この時計に際立った個性を与えるためにヴィンテージ風のタッチと色を提案しました」と語っている。
     マット仕上げのケースはグレード2のチタン製で、装着したときの軽さ、過酷な環境下での耐久性を備えている。スタンダードモデルには同素材のメッシュブレスレットが付属しているが、今回のレビューではよりミリタリーな雰囲気を醸し出している、カラーコーディネートされたNATOスタイルの布製ストラップを選択した。どんな腕にもしっくりくる直径42mmのケースには、膨らみのあるケースバックのカーブもきれいに収まっている。また、ラグはシャープでエレガントなカーブを描いている。
    《 逆回転防止機能付きのベゼルには、アルミニウム製リングのダイビングスケールが備わっている。 》
    逆回転防止機能付きのベゼルには、本格仕様のダイバーズウォッチに求められる60分単位の目盛りが刻まれている。また側面には溝ではなくスカラップ加工が施されている。これは潜水時間の設定のためにベゼルを回転させる際に、親指と人差し指がこのくぼみを簡単につかめるようにするためのものだ。実用において、従来の切り欠きのあるベゼルか、こちらのスカラップ形状のどちらを握る方がつかみやすいかどうかは定かではないが、ベゼルは「カチッ」という心地よい音を立ててスムーズに回転する。また、従来とは異なるエッジの形状は、過去のシーマスターのデザインと同様に、全体のデザインに魅力的なスポーティーさを与えている。10時位置のヘリウムエスケープバルブもまた、プロフェッショナル向けのダイバーズウォッチであることを強調するもうひとつの要素だ。ダイバー(または潜水艦を操る諜報員)が実際に使用できる技術的な機能を追加するだけでなく、ねじ込み式リュウズと同じフルート型のエッジが、全体のデザインに非対称な魅力を加えている。その控えめなサイズはちょうどよく、手首に当たることはない。
    《 10時位置のヘリウムエスケープバルブは、シーマスターが本格的なダイバーズウォッチであることを示している。 》
    《 ねじ込み式のリュウズには、ギリシャ文字の「オメガ」があしらわれている。 》
    ベゼルと文字盤には、軽量化のためにアルミニウムが採用された。どちらにもトロピカルブラウンカラーが採用されている。この色味は一般的に黒の文字盤が日光にさらされて変色したものを指し、クレイグの提案した「ヴィンテージ感」を演出するものである。 文字盤には幾何学的な形をした大きなインデックスが配置されている。これらのインデックスには、経年変化を思わせる褐色のスーパールミノバがたっぷりと塗布されている。
     時針と分針はいずれも五角形で、シースルー加工が施されており、その先端には大きな三角形が付いている。シースルー部分が大きいため、暗所での視認性はやや劣る。分針が大きなアワーマーカーの上を横切るとき、一目で時間を読み取るのが難しくなるのだ。センター秒針の先端に赤色を配したことは視認性に貢献しており、またこれにより時計が動いていることを視覚的に瞬時に知ることができる。他にも既存のシーマスターとの違いとして、6時位置のインデックスの上に矢印形のマーカーがあしらわれたことが挙げられる。これは英国政府に関連するものであることを示すために歴史的に使用されてきたものだ。
    《 日に焼けたような色合いのスーパールミノバを針とインデックスに使用し、ヴィンテージ感を演出している。 》
    スーパースパイの時計には堅牢で信頼できるムーブメントが必要である。その期待に応えるのが、コーアクシャル マスター クロノメーターのキャリバー8806だ。キャリバー8800をベースに、日付表示を省いたこのムーブメントは、両方向回転ローターによる自動巻きで、1万5000ガウスの耐磁性を保持し、約55時間のパワーリザーブを備えている。ヒゲゼンマイにはシリコンを採用し、DLC加工を施したチタン製のテンプには調整用のネジが設けられている。高級時計にふさわしい仕上げとして、ロジウムメッキとオメガ独自のアラベスク調ジュネーブウェーブがブリッジとローターに施されている。オメガのマスター クロノメーターのムーブメント全てがそうであるように、キャリバー8806もMETAS(スイス連邦計量・認定局)から、その卓越した精度と耐磁性を証明する8分野に及ぶ認定を取得している。マスター クロノメーターの称号を得るためには、1万5000ガウスの磁場にさらされている間もその後も、日差が0から+5秒に収まらなければならない。

    《 コーアクシャル エスケープメント搭載の自動巻きキャリバー8806。 》
    《 裏蓋はクローズドケースバックを採用し、ミリタリー系のエングレービングが施されている。 》
    ベゼルのスカラップエッジのモチーフは、チタン製のクローズドケースバックにも施されている。このケースバックには、オメガが特許を取得したナイアードロックシステムが採用されており、エングレービングや装飾の適切な配置を維持したまま、ケースバックをしっかりとねじ込むことができる。本機にはヴィンテージの軍用時計やジェームズ・ボンドのストーリーにちなんださまざまな装飾が施されているため、これは理想的な機能である。余談だが、「0552」は海軍所属のコードナンバー(熱心な007ファンならご存知の通り、ボンドは諜報部員となる前は英国王立海軍の兵士であった。「923 7697」はダイバーズウォッチ、「A」はねじ込み式リュウズを備えた時計のコードナンバーである。「007」が何であるかは明らかだ。「62」は、ジェームズ・ボンドの最初の映画が公開された1962年に由来している。
     NATOストラップはベゼルや文字盤の落ち着いた色とうまく調和しており、グレー、ブラック、カーキのストライプ柄の丈夫な生地で作られている。金属製のループは細いながらも頑丈で、ケースと同様のマットな仕上げが施されている。尾錠近くのループには「007」のロゴが刻印されており、ボンドへのオマージュがさりげなく表現されている。中央にオメガのギリシャ文字が浮き彫りにされたバックルもマット仕上げのチタン製だ。ストラップは長めなので、手首の細い方は最後のループでストラップの端を折り返して、垂れないようにする必要があるだろう。
    《 ストラップのストライプが文字盤のカラーと調和している。 》
    NATOストラップではカジュアルな装いとの相性が良く、一方メッシュブレスレットではドレッシーな装いにもマッチし、汎用性もより高いだろう。クレイグが前作「007/スペクター」においてNATOストラップのシーマスターを白いディナージャケットに合わせていたことを、多くの人はファッション的には不適切と思ったかもしれないが、個人的にはジェームズ・ボンドの場合は議論する必要もないように感じる(一応付け加えておくが、マティーニにはウォッカではなくジンを用いるべきだと思う)。
     1995年に公開された「007/ゴールデンアイ」でオメガが初めて007の公式時計を担当して以来、ジェームズ・ボンドにインスパイアされたモデルが数多く登場してきた中でも、「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」は、ファンたちが最も納得できるものなのではなかろうか。その紛れもないミリタリーコンセプトと実用的な堅牢性のおかげで、彼らのヒーローがミッションを遂行する時計として相応しい。もちろんそこには、レーザーやガイガーカウンターなど、過去にスクリーンで見られたような風変わりなものは備わってはいないのだが。

    Contact info:オメガお客様センター Tel.03-5952-4400



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