革新と対称美の再考
くろのぴーす Chrono Peace
スケルトン腕時計にはふた通りある。既存のものを肉抜きするか、このように中身を見せるために一から作るか。一見すると上下対称にデザインされただけのように見えるが、機能が違う部品を対称に収めるのは困難だ。さらにゼンマイの中にトルクを一定化させる新機構を忍ばせているが、シンプルさゆえにトラブルは少ない…
マルテーゼクロスという合理的な解決
広田雅将 Masayuki Hirota
機械式時計の問題に、主ゼンマイのトルクが安定しないという点がある。それを解決しようと試みたのが本作だ。正直、主ゼンマイのトルク安定という課題は、よほどの時計好きはもちろん、時計関係者でも理解しにくいものだ。しかし、機械式時計の歴史を知るほど、このモデルの意義は理解できるだろう。
主ゼンマイのトルクを安定させる手法はいろいろある。これは、マルテーゼクロスという…
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