2020年の新作でたびたび見受けられたのが、直径30mmを超えるケースをもつ時計。以前は30mm以下の小さめサイズが多かったレディスウォッチも、男性にとっては小ぶりな、女性にとっては大きめな“ボーイズサイズ”が増えてきている。特に名作メンズウォッチの女性向けモデルは、ダイヤモンドやマザー・オブ・パールといった女心をくすぐる要素をデザインに取り入れ、フェミニンに進化した。またここ数年の潮流ともいえるのが、パートナーとシェアできる“ユニセックス”な時計。マニッシュな装いを好む女性なら、メンズモデルからから時計を探すのもいいだろう。女性にもおすすめなメンズモデルと、選ぶ際のチェックポイントも併せてご紹介!
野上亜紀:文 Text by Aki Nogami [クロノスファム51号掲載記事]
時計ジャーナリストが語る、スポーティなレディスウォッチ
メンズウォッチを主なラインナップとする時計ブランドから2020年に登場したレディスモデルは、大きめのケースサイズとユニセックスなデザインをもつ。それでいてエレガントな雰囲気も兼ね備えるこれらの時計は、男性にも人気が高いという。クロノス日本版編集長の広田雅将、ウォッチ&ジュエリージャーナリストの野上亜紀は、スポーティなレディスウォッチをどう見たのか?
広田
:女性も男性のようなモデルを着ける“ユニセックス化”の傾向を覗き見ることができるカテゴリー。針やインデックスのバランスがそもそも男性用と同じなので、女性用にアレンジした時にも作りやすいのでしょうね。このブライトリング「ナビタイマー オートマチック 35」は他モデルと異なり、回転計算尺の部分に光沢感のあるカラーを入れたりと、オタクも納得のディテールがよし。
野上
:時計のサイズは殊に日本の女性にとっては、直径30ミリ以下が好まれる傾向がありましたが、昨今は30ミリ超え(特に34〜36ミリあたり)が見直されているように思われます。スポーティに主張しすぎず程よく主張する、そんなサイズ感が絶妙。あとF.P.ジュルヌ「エレガント 40mm」のようにチタンにダイヤモンドを施したモデルも最近増えましたね。これも技術力の証。
フェミニンな香りを放つスポーティシック
ダイヤモンドやマザー・オブ・パールを効かせた意匠、手元に程よくフィットする絶妙なサイズ感など、男性にも人気のコレクションが、女性も納得の美しさに。大胆な中にほのかなフェミニ二ティを感じて。
オーデマ ピゲ ユニセックスにまといたい絶妙なサイズの34ミリモデル
アイコニックウォッチ「ロイヤル オーク」。ラグジュアリースポーツウォッチの先駆けとして受け継がれてきたコレクションのニューサイズは、直径34ミリ。男性はコンパクトに、女性は大胆に装えるサイズ感だ。ブルーグレーの“グランドタペストリー”も爽やかな自動巻きモデル。
《 オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オートマティック」 自動巻き。SS×D。直径34mm。240万円(税別)。問/オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000 》
ブライトリング 満を持して登場したレディス専用ナビタイマー
ブライトリングの「ナビタイマー」に加わった直径35ミリのモデル。1950年代の「Ref.66」の3針モデルから文字盤のデザインを、1959年の「Ref.806」からベゼルのビーズ装飾を踏襲し、過去の名機へのオマージュを重ね合わせている。象徴的な回転計算尺とフェミニンなマザー・オブ・パールの輝きが調和して、女性にふさわしい新作に仕上がった。
《 ブライトリング「ナビタイマー オートマチック 35」 自動巻き。SS×D+アリゲーターストラップ。直径35mm。54万円(税別)。問/ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707 》
F.P.ジュルヌ ダイヤモンドの輝きでさらにレディライクに
独立時計師が贈る、ユニセックスウォッチ。写真はケース径40ミリながらチタンで軽量化した、女性にやさしいモデルだ。約30分使用しないと止まるスタンバイモードを備えた、独自のムーブメントを搭載したコレクションから、チタン×フルパヴェダイヤモンドセッティングの時計が登場。充実のジュエリー化を果たした。
《 F.P.ジュルヌ「エレガント 40mm」 クォーツ。Ti×D+ラバーストラップ。縦40×横35mm。231万6000円(税別)。問/F.P.ジュルヌ東京ブティック Tel.03-5468-0931 》
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