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オメガのマスター クロノメーター認定ウォッチは本当にMRIにも耐えられるのか!?

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  • オメガのマスター クロノメーター認定ウォッチは本当にMRIにも耐えられるのか!?


    「シーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーター」は、周知の通り、オメガを代表するダイバーズウォッチのひとつだ。しかし、今回検証するのはダイビングに関係する使い勝手の良さや性能ではない。本テストでは1万5000ガウスという超高耐磁性能を保障するマスター クロノメーター認定ウォッチの実力を調べるべく、この時計をMRIの継続的磁力の中にさらしてみよう。

    Originally published on watchtime.com Text by Martina Richter
    オメガ「シーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーター」

    ドクター・ハンス-ウルリッヒ・ローダーは、直径43.5mmのオメガ「シーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーター」に対して懐疑的な見方を持っていた。自身が2013年から所有していた1万5000ガウスの磁気にも耐えるオメガの「シーマスター アクアテラ」を外して、プラネットオーシャンを手にするまでは。ドイツ・ハイデンハイムに住むローダーは放射線専門家であり、オメガのマスター クロノメーター・プロジェクトに加わったひとりだ。彼はいつも仕事中にダメージを受けない時計が欲しいと思っており、その希望をオメガに伝えたのである。
    テストの前に、このシーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーターがどんな時計なのかを紹介しよう。最初にこの時計を着けたとき、ドクター・ローダーは、グレーの文字盤にオレンジのアクセント、セラミックベゼルとラバーストラップを備えたダイバーズウォッチをすぐには好きになれないのでは、と感じた。しかし、チタンケースの軽量さやラバーストラップの着用感の良さは想像以上であった。「サイズと厚さを考慮すれば素晴らしい」というのが、彼の最初の印象だったのである。文字盤上の強いコントラストは視認性の高さにつながり、また暗所でもスーパールミノバのコーティングによってくっきりと輝くのだ。
    「回転式ベゼルを回す際の感触は良かった」とドクター・ローダーは続けたが、16.04mmというケース厚はいつも着ているシャツの袖口には致命的であった。オペラに行くときには、もともと持っていたアクアテラを着けるのがいいだろう。
    プラネットオーシャンに搭載されているC.O.S.C.クロノメーターおよびMETASによるマスター クロノメーター取得の自社製ムーブメント、Cal.8900はツインバレルによって約60時間のパワーリザーブを有している。そのため、金曜日の夜の時点でフル巻きであれば、週末にベッドのサイドテーブルに置いたままにしておいても、月曜日の朝に止まっていることはないだろう。
    そんなシーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーターの持つ耐磁性能をオメガは1万5000ガウス(1.5テスラ)以上とうたっている。つまり、理論的には強力な磁場を発生させるMRIの中に持っていっても磁気帯びをしないということだ。しかし、これまで実際にMRIで磁気を浴び、それでもなお精度に影響が出ているかどうかを試したことのあるユーザーはいないだろう。

    そこで、MRIに匹敵する磁場環境であるドクター・ローダーの放射線室にプラネットオーシャンをおき、時には実際にMRIに入れながら、何カ月にもわたるテストを行ったのである。
    ドクター・ハンス-ウルリッヒ・ローダーの手首の上で、MRI検査を受けた際の画像。時計は手首の左側に着けられている。

    いざ、オメガのマスター クロノメーター認定機をMRIへ

    最初にドクター・ローダーが手首にプラネットオーシャンを着用した際、時計はMRIの近くにあり、絶えず変化する磁場にさらされていた。それでもプラネットオーシャンの精度に影響を及ぼさなかったようで、ドクター・ローダーは日差±1秒という値を好意的に受け止めた。
    次に時計単体で稼働するMRI内へ置き、さらにその後ローダー医師の手首に着用してMRIに入れてみた。しかしどちらの場合も、特に問題は見られず稼働しつづけた。
    また、ドクター・ローダーは結果に満足すると同時に、プラネットオーシャンの画像を撮影記録するだけでなく、その最適環境である水中で「検査する」という新しいアイデアを提案してきた。
    なおMRIではドクター・ローダーいわく、「金属によってシグナルが減少するため、時計の一部しか見ることはできない」。彼は腰などに入れられる、メディカルインプラントで使用されるチタンなどをMRIの撮影画像で見た経験から、そのように言ったのだった。
    だが、「コイルによって生み出される測定単位の変化と1000分の1秒単位の強い環境変化の中で、時計が磁力に耐えられたかどうかを証明することはできる。もしうまくいけば、今回、それを初めて証明することになる」と続けたのだった。
    プラネットオーシャン単独でのMRI実験

    1.プラネットオーシャンを水に漬ける


    2.実験前のプラネットオーシャン


    3.変化する磁場にさらされるプラネットオーシャン


    4.実験中の水中での状態


    ローダー医師は率直に自身がこの実験を楽しんでいること、そして今回の実験とオメガが行っているテストの違いを説明してくれた。オメガは、一定の磁場と安定した環境下でのテストの結果、1万5000ガウス以上の磁場への耐性を保証している。対照的に、MRIが作り出すのは常に変化する磁場である。回転し、うねり、高周波が1000分の1秒単位で画像を投影していくのだ。そのため、一定の磁力を発する磁石よりも、より高い負荷が時計に掛かることになる。ローダー医師はこれを「超高速要因を伴う超高速投影時間」と呼んだ。
    そしてどのような意味であろうと、テストの結果は文字通り、高パフォーマンスと呼べるものであった。「時計、そしてムーブメントにはなんの影響もなかった」とローダー医師は告げた。
    編集部に戻ったプラネットオーシャンは、歩度測定器にかけられ5つの姿勢差でチェックされた。結果は、数カ月かかったMRI内でのテスト前に比べ、振り角が少し落ちただけという、素晴らしいものであった。かつても編集部では7万ガウス以上の磁場で、オメガのマスター クロノメーター認定機を短時間観察したことがあるが、今回の長期にわたるテストによって、プラネットオーシャンは常に変化する磁場による負荷にも耐えられることを証明したのである。
    技術仕様

    リファレンスナンバー:215.92.44.21.99.001 機能:時、分、秒、日付表示 ムーブメント:オメガ自社開発キャリバー8900、自動巻き、2万5200振動/時、C.O.S.C.およびMETAS(スイス連邦計量・認定局)による認定、耐磁性能を備えた各種部品、39石、ツインバレル、テンワに取り付けられた慣性補正ネジによる微調整、コーアクシャル脱進機搭載、パワーリザーブ約60時間 ケース:ステンレススティール製、ドーム型サファイアクリスタル製風防(両面反射防止加工)、ねじ込み式リュウズ、サファイアクリスタル製のねじ込み式シースルーケースバック、60気圧防水 ストラップ&クラスプ:ラバーストラップ、ステンレススティール製セーフティフォールディングバックル サイズ:直径43.5㎜、厚さ16.2㎜、重量104g バリエーション:チタンブレスレット、ステンレススティール製ケースにレザーまたはラバーストラップもしくはステンレススティール製ブレスレット、文字盤とベゼルにバリエーションあり。セドナゴールド製ケース、ダイヤモンドセッティングなど。 価格:86万円(税別) 精度安定試験(完全巻き上げ時とT24の日差 秒/日、振り角)

    文字盤上 +2.1/+1.7 文字盤下 +0.4/+1.2 3時上 +1.1/−2.8 3時下 −0.3/+2.9 3時左 +1.3/+3.5 最大姿勢差:2.4/6.3 平均日差:+0.9/+1.3 平均振り角: 水平姿勢 278°/271° 垂直姿勢 252°/248°


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