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GQ JAPAN編集長の鈴木正文が選ぶ、2020年新作時計 ベスト5

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  • GQ JAPAN編集長の鈴木正文が選ぶ、2020年新作時計 ベスト5


    2020年12月発売1月号掲載
    鈴木正文

    《 「GQ JAPAN」編集長。1949年生まれ。慶應大学中退。コマーシャル・フィルム制作会社、海運・造船の業界紙の英字版記者などを経て、「NAVI」(二玄社)、「ENGINE」(新潮社)の編集長を歴任。2011年11月より現職。 》
    今ほど時計とファッションが近くなった時代はない

    ひと昔前、時計に求められる要素はパフォーマンスでした。でも、バンフォードがカルチャーに結びつけ、(ジャン-クロード・)ビバーさんがそれに目を付けた。今ほどファッションと時計が近くなった時代はないし、いっそうストリートカルチャーと結びついていくでしょう。そういう中で、フォーカルポイントになるのは、「稀少価値」かと思います。今年のトレンドは、ヴィンテージ志向がはっきりしてきたこと。今の人たちは、古い時計に注目するようになりましたが、ヴィンテージは安くはありませんよね。そこで復刻版がこのトレンドに棹をさすようになっています。結果、どれもデイトナやサブマリーナーに似てきたような気がします。楽しいような、ちょっと残念なような気分です。
    この時代、自らの歴史的アセットがあるメーカーは強いと思います。そんな中でカルティエが発表した新しいパシャはなににも似ていない傑作だと思いました。ブルガリのアルミニウムも、巧妙なデザインですね。それとブレゲのクラシック。個人的にはそのムーンフェイズに注目しています。復刻でいえば、ロンジンのタキシードも良いし、ゼニスの“シャドウ”は、昔のデザインを今っぽく表現しています。服装で自分を表現するのは大変ですけれど、スニーカーや時計なら容易です。先日、藤原ヒロシさんと話したのですけれど、彼ももはや時計にドレスコードはないと話していました。同感です。時計ってコミュニケーションツールですし、それを着けるにあたって、もはやドレスコードはまったく関係なくなっていると思いますね。(談)

    鈴木正文が選ぶ2020年新作腕時計 BEST5

    〈カルティエ〉 パシャ ドゥ カルティエ

    1985年のファーストモデルを思わせるデザインに、インターチェンジャブルストラップや、高い耐磁性の自動巻きを加えたモデル。「パシャは魅力的なモデルですが、若い世代にはまだ知られていませんね」。

    Ⓒ Cartier
    《 自動巻き。SS。65万5000円。問カルティエ カスタマー サービスセンター TEL:0120-301-757 》
    〈ゼニス〉 クロノマスターリバイバル “シャドウ”

    1970年代に作られた手巻きのプロトタイプに範を取ったモデル。おそらく当時のケースはSS+PVDのはずだが、本作にはブラスト処理をしたTiを採用。「昔のケースデザインですが、うまく今っぽさを加えたモデルです」。

    《 自動巻き。Ti。88万円。問ゼニス ブティック銀座 TEL:03-3575-5861 》
    〈ロンジン〉 ヘリテージクラシック タキシード

    1940年代のモデルを忠実に復刻した新作。名前の由来はタキシードを思わせるカラーリングから。ケース直径は38.5mmあるが、スモールセコンドの位置は適切だ。「復刻版で言うと、ロンジンは良い時計を作っていますね」。

    《 自動巻き。SS。24万円。 問ロンジン TEL:03-6254-7350 》
    〈ブレゲ〉 クラシック 7337

    1986年に発表された3330/3337の後継機。デザインは2009年発表モデルを踏襲するが、ギヨシェがより細かくなったほか、仕上げも改善された。「最近気になっているのはムーンフェイズ。またコンビもありだと思います」。

    《 自動巻き。18KWG。466万円。問ブレゲ ブティック銀座 TEL:03-6254-7211 》
    〈ブルガリ〉 ブルガリ アルミニウム クロノグラフ

    1998年に発表され、大ヒットを遂げたモデルが復活した。デザインとサイズはそのままだが、ケースに使われるアルミニウム素材が変更された。「ケースのアルミ素材に施したヘアライン仕上げは非常に巧妙です」。

    《 自動巻き。アルミニウム×ラバー。45万5000円。問ブルガリ ジャパン TEL:03-6362-0100 》



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