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ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」/オールパーパスを可能にする上質な外装

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  • ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」/オールパーパスを可能にする上質な外装


    1984年に発表されたクロノマット“ファーストモデル”の意匠を受け継いだ新しい「クロノマット B01 42」。しかし、同作はかつての名作を連想させるディテールと、ルーローブレスレットを復活させながら、自らをパイロットウォッチではなくどこでも使える“オールパーパスウォッチ”をうたっている。今回は日本限定モデルである「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」の外装を掘り下げながら、なぜ、新作クロノマットがオールパーパスウォッチであるかを見ていきたい。
    ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」

    吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie 細田雄人(クロノス日本版):文 Text by Yuto Hosoda(Chronos-Japan)

    「パイロットウォッチ」から「オールパーパスウォッチ」へ

    2020年にモデルチェンジを敢行した新生クロノマットこと「クロノマット B01 42」。同作の特徴と言えば、ルーローブレスレットを復活させ、ラグを短いストレート形状にすることでヘッドの全長を抑えるなど、1984年モデルを連想させる意匠を多く取り入れた点にある。
    とはいえ、「クロノマット B01 42」は決して原点回帰をしたわけではない。というのも、84年のクロノマットはスタイリッシュなデザインが結果としてパイロットがオフタイムにも好んで着用することで人気を博したが、そもそもはイタリア空軍のパイロットによる着用を想定して開発された「フレッチェ・トリコローリ」ベースのパイロットウォッチだった。対して新しいクロノマットはスポーツウォッチの装いを持ちながらも、あらゆるシーンに対応する柔軟性を兼ね備えた万能ウォッチであると定義された。
    いかにして“プロフェッショナルの為の計器”という、対象とする層が限られたシチュエーション向けのデザインを残しつつ、ユーザーやTPOを選ばずに着用できる時計を作り上げることができたのか。その秘訣を日本限定モデルの外装から読み解きたい。

    ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」 恒例の日本限定モデル。“逆パンダ”モデルのクロノグラフ秒針のカラーをレッドから時分針と同様のシルバーに変更している。コントラストの高いダイアルは抜群の視認性を誇る。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42.00mm、厚さ15.10mm)。200m防水。89万円(税別)。 》

    進化を遂げたルーローブレスレット

    クロノマット B01 42を手に取った時、まず目を引くのがブレスレットだ。“ファーストモデル”でも採用されたルーローブレスレットが、今作では18KRGケース以外のモデルで標準装備されているのである。
    《 クロノマット B01 42でおよそ20年ぶりに復活したルーローブレスレット。コマが幅広なため、重厚感あるヘッドとのバランスに優れる。 》
    このルーローブレスレット、オリジナルとは比べられないほどに良く出来ている。まずは装着感。コマによってはラグ間以上の幅を持つほどに広いため、重厚感のあるヘッドをしっかりと支えることができる。ブレスレットの左右の遊びも小さいため、時計の大きさに比して、手首の収まりは良好だ。
    かつてのルーローブレスレットに比べると肌触りも改善されている。これは裏側の写真を見れば理由は明らかだ。コマは裏側であってもしっかりと筋目が入れられており、何より各コマの連結部をくり抜いて肌に当たる部分を減らしている。
    《 ルーローブレスレットの表側と裏側。基本的に装着中は見えない裏側もしっかりと仕上げが施されている。結果、肌触りは良好だ。 》
    またすべてのコマを分解できるため、凝った仕上げを与えられることも特筆すべき点である。サテン仕上げをベースとするコマのひとつひとつに面取りが施されている上、ひとコマおきに2カ所、ポリッシュ仕上げのリンクが各コマに組み込まれているのだ。浅く入れられたサテン仕上げの中できらりと光るポリッシュ仕上げが、プロ向けの計器に止まらない高級感を演出している。
    《 ルーローブレスレットに惜しみなく手間をかけていることが伝わる画像。各コマには面取りが施されるほか、ひとコマおきにポリッシュ仕上げのリングが2箇所組み込まれている。 》
    さらに耐久性もファーストモデルと比べて向上している。かつてのルーローブレスレットはスティールを丸めたコマに、ピンを通すためのパーツを溶接して固定していたが、この溶接が時計を使用しているうちに外れることもあったという。各コマがしなやかに動くため手首にフィットし、優れた装着感を持ちながらも、かつてのルーローブレスレットが市場から姿を消してしまった理由のひとつかもしれない。
    対してクロノマット B01 42では、コマのひとつひとつを削り出して作ることで、ファーストモデルとは比較にならないほど耐久性を向上させている。また、すべてのコマをバラすことができるため、コマごとの遊びも均一になり、装着感はさらに改善された。
    各コマの連結方法がシンプルな点も高い信頼性に貢献している。下の画像はその連結方法を伝えるカットだ。
    《 ブレスレットの連結方法が分かるカット。削り出しのコマとコマをピンで留め、連結部分にカバーを被せるだけのシンプルな構造だが、耐久性に優れる上、見た目以上に軽い。 》
    ブレスレットは一見、2カ所にポリッシュが入れられたコマと、サテン仕上げのみのコマが連結しているように思える。しかし実際はポリッシュが施されたコマ同士をピンで連結し、その連結部にサテン仕上げのカバーを被せて長めのピンで固定しているのだ。
    この方式ならば簡単に壊れることはないだろうし、ブレスレット全体の重量も抑えられる。



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