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レギュレーターダイアルを愛好するジャーナリストによるクロノスイス「フライング・グランドレギュレーター」着用レビュー

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  • レギュレーターダイアルを愛好するジャーナリストによるクロノスイス「フライング・グランドレギュレーター」着用レビュー


    レギュレーターダイアルは、腕時計の世界ではニッチな存在だ。近年では訴求力を高める目的でポートフォリオに加えるブランドも多くある。だがクロノスイスほど、レギュレーター式を大切にしてきたブランドはないだろう。「フライング・グランドレギュレーター」は、ブランドが初めてレギュレーターダイアルの腕時計を発表した1988年のモデルの特徴に重点を置いた腕時計だ。今回はこの着用レビューをお届けする。
    Originally published on watchtime.com Text by Mark Bernardo 2021年1月6日掲載記事
    クロノスイス「フライング・グランドレギュレーター」

    《 手巻き(Cal.C.678)。17石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径44mm)。3気圧防水。アリゲーターストラップ。122万円(税別)。2017年発表。 》
    多くの腕時計ユーザーにとってレギュレーター式は、キャビアやマデューロ葉巻、アイラウイスキーのように後天的に獲得する嗜好性となるだろう。初めてレギュレーター式を見た人はとっつきにくい印象を持ち、おそらく最初は時間の読み方に戸惑うかもしれない。筆者に関してはレギュレーターをすぐに好きになるタイプだったのかもしれない。私は自身のささやかなコレクションの中でもお気に入りのレギュレーターウォッチを、ドレスウォッチを必要とするフォーマルなイベントの際には(クロノスイスのものではないが……)着用している。
    《 クロノスイスは1983年にドイツ・ミュンヘンでドイツ人時計師ゲルト・リュディガー・ラングが創業したブランド。現在は拠点をスイスのルツェルンに置き、スイス出身の起業家オリバー・エブシュタインによって運営されている。 》
    今回、私が着用した「フライング・グランドレギュレーター」は、深みのあるブルーのギヨシェパターン文字盤と直径44mmのステンレススティール製ケースが魅力的なモデルだ。まず、21のパーツで構成されたケースから見ていこう。丸みを帯びたポリッシュ仕上げのベゼルには薄いコインエッジの刻みがさりげなく施されている。もう少し幅の広いコインエッジ状の刻みが、ねじ込み式ケースバックの縁にもつけられており、サテン仕上げのミドルケースが合わせられている。コインエッジはかつての懐中時計を彷彿とさせるものであり、初期のクロノスイスにも多用された装飾だ。大きな玉ねぎ型のリュウズもクロノスイスの特徴のひとつだ。ミドルケースからはエレガントにカーブしたラグが出ており、ストラップを小さなネジで固定している。
    《 サテン仕上げのミドルケースを挟み込むようにあしらわれたコインエッジ装飾。 》
    《 大きな玉ねぎ型のリュウズはクロノスイスのアイコンのひとつ。 》
    《 アリゲーターストラップは小さなネジでラグに固定されている。 》
    多層構造の文字盤のベースは、ガルバニックメッキ仕上げのブルーで、中央から水面に広がる波紋のように複雑なギヨシェ模様が放射状に施されている。そこに時(12時位置)と秒(6時位置)を表示するすり鉢状のサブダイアル、そしてセンターミニッツが配されている。これは19世紀のレギュレーター式クロックの基本形に由来する古典的なスタイルだ。針はダイヤモンドカットとロジウムメッキを施したもので、6時位置のスモールセコンドの秒針だけが赤色となっている。また文字盤には左右対称に、クロノスイスのロゴと“アトリエ ルツェルン”の文字があしらわれている。
    《 クロノスイスのロゴと左右対称にあしらわれた“Atelier Lucerne(アトリエ ルツェルン)”の文字。 》
    《 ロジウムメッキの施されたセンターミニッツ針と、秒針が赤く着色された6時位置のスモールセコンド。 》
    6時位置の秒表示のサブダイアルより大きく設けられた12時位置のサブダイアルのアワーインデックスはローマ数字であるのに対し、分表示は5分単位に配されたアラビア数字がさらに5分の1に細分化されている。また、メインダイアルの2時、4時、8時、10時位置の近くには、ペダル型の金属製マーカーが4つネジ留めされている。その用途は、文字盤外周リングや多層構造の文字盤を留め付ける実用的なものであろう。
    《 メインダイアルの2時、4時、8時、10時に近い位置でネジ留めされたペダル型の金属製マーカー。 》
    サファイアクリスタルケースバックからはキャリバーC.678が鑑賞できる。ローターがないことからも分かるように、このムーブメントは手巻き式で、大きなテンプやブルーのネジと、17石のルビー、円を描くコート・ド・ジュネーブ装飾が施された大きな受け、テンプの接地面からのぞくペルラージュ装飾などを見ることができる。
    《 サファイアクリスタルケースバックからは装飾性の高い手巻きムーブメントが鑑賞可能だ。 》
    《 コート・ド・ジュネーブ装飾の受けにブルーのネジが映える。 》
    《 安定性が高く、見栄えに優れたスワンネック型緩急針を採用。 》
    ストラップとバックルは若干ユーザーフレンドリーとは言い難い。ストラップの穴に収まるバックルのピンには小さなネジが付いている。それを緩めてピンを適切な穴に入れた後、再度締める必要がある。いったんセットすれば非常に安全性は高いのだが、小さなドライバーを常備携行していない限り、この調整は若干手間だ。それはさておき、ルイジアナアリゲーターストラップは質感が高く、色合いも文字盤とよく調和している。
    《 バックルのピンは小さなネジで固定されているため、位置調整にはドライバーが必要だ。 》
    間違いがないように言うが、私はレギュレーターダイアルが好きで、またこの時計の深みのあるブルーの色使い、複雑な構造の文字盤や装飾性の高さ、ヴィンテージ感を高める玉ねぎ型リュウズや、ベゼルに見られるコインエッジ装飾などのまとめ方も高く評価する。ただ、採光条件の良くない環境でやや劣る視認性には言及しておきたい。ロジウムメッキされた針は文字盤と十分なコントラストを成していないため、一瞥して時間がすぐに分かるとは言い難い。このようなクラシカルな外観の時計に蓄光塗料を採用しても、不似合いだろう。例えば針とインデックスが白色になると良いのかもしれない。ただ美しさよりも実用性を重視するユーザーの要望にも十分に応えられるだけのバリエーションが「フライング・グランドレギュレーター」のシリーズには揃っていることを追記する。あらゆる美意識を満たすモデルがきっと見付かるはずだ。
    Contact info: 栄光時計 Tel.03-3837-0783



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